「妊活にいいと聞いたから…」
最近、そんな理由でよもぎ蒸しに通い始める女性が少なくありません。 当グループで体質改善中の女性でも、よもぎ蒸しの独特のにおいを纏っておられる場合があります。 ふんわりとした香りに包まれ、温かい蒸気で体をじんわりと温める時間。そのひとときに、「妊娠に近づけるかもしれない」という期待を抱くのは、ごく自然なことかもしれません。
SNSや美容系メディアでも、「妊活におすすめ」としてよもぎ蒸しを紹介する投稿はよく見かけます。ですが実際のところ、その効果はどこまで本当なのでしょうか?
結論から言うと、2025年7月時点で、よもぎ蒸しが妊娠率を高めるとする医学的な根拠は確認されていません。
国内外の論文や公的機関の情報を探しても、「妊活に効く」と断言できるだけのデータは見つかっていません。
厚生労働省や日本産婦人科学会など、日本の主要な医療団体・公的機関はよもぎ蒸しの有効性や安全性について推奨も警告も公表していない現状です。
とはいえ、全く無意味というわけではありません。
よもぎ蒸しには、冷えの改善や自律神経を整えるといった“体調を整える”面でのメリットがあることも、一定の報告で示唆されています。
そこで今回は、「妊活によもぎ蒸しは効果があるのか?」という問いに、医学的な視点と実体験に基づいて冷静に答えていきたいと思います。あなたが納得して選択できるよう、根拠のある情報だけを丁寧に整理しました。
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よもぎ蒸しとは何か?基本を知る
「よもぎ蒸し」という言葉を聞いたことはあっても、具体的な内容や由来を詳しく知っている人は少ないかもしれません。ここでは、よもぎ蒸しの基本情報と、妊活との関わりについて整理します。
韓国発のハーブスチーム療法
よもぎ蒸しは、韓国で古くから行われてきた伝統的な民間療法です。
専用の椅子に座り、下からよもぎなどの薬草を煎じた蒸気を浴びる「座浴」という形式で行われます。
日本でも近年、美容や温活の一環として広まりつつあります。
エステサロンや個人経営の温熱施設などで気軽に体験できるようになりました。
この療法の目的は、下半身の冷えを取り除き、子宮や腸周辺の血流を促進すること。
「終わった後に身体が軽くなる」「汗をかいてスッキリする」といった感想が多いです。

よもぎの特徴と民間利用
よもぎ自体は、古くから日本や中国でも生薬として用いられてきた植物です。
止血や鎮痙作用があるとされ、漢方では「温経散寒(体を温めて血流を良くする)」の目的で婦人科領域でも使われてきました。
(参考) 公益社団法人 東京生薬協会 https://www.tokyo-shoyaku.com/wakan.php?id=34
クラシエ株式会社 https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/yakuzen/ingredients/mugwort.html
また、精油成分を含むことからアロマテラピーにも応用されます。
リラックスや自律神経の安定、消臭・抗菌といった効果が期待されています。
よもぎ蒸しは、こうした薬効成分を蒸気で皮膚や粘膜から取り込むことで、内側からの温活や体質改善につなげようとするアプローチです。
「妊活によもぎ蒸し」は本当に効果があるのか?
よもぎ蒸しが「妊活にいい」とされる根拠はどこにあるのでしょうか。
インターネットやSNSでは「妊娠した友人が通っていた」「体が温まると妊娠しやすいらしい」といった声を見かけることもありますが、情報の出どころをたどると、伝承や体験談に基づくものが多く、信頼できる科学的根拠は非常に限られています。
このセクションでは、よもぎ蒸しの妊活効果について、医学的な視点から検証していきます。
医学論文や公的機関の見解
まず、国内外の医学論文データベース(PubMed、Cochrane、医中誌など)や公的機関(厚生労働省、日本産婦人科学会など)の情報を調べたところ、「よもぎ蒸しが妊娠率を高める」という明確な研究結果や推奨は存在しないというのが現状です。
よもぎ蒸しに関する臨床研究自体が少なく、妊娠との直接的な関係を示した科学的報告は確認できていません。
一部のハーブ療法が妊活に与える影響
一方で、よもぎを含むハーブ療法全般については話が異なります。
抗酸化作用やホルモン調節への可能性が示唆されている研究もあります。
たとえば、カモミールやクミン、フェンネルなどのハーブには、女性ホルモンに似た作用を持つ成分が含まれており、動物実験や少規模な臨床研究で一定の効果が報告されています。
ただし、こうした知見は「よもぎ蒸し」特有の効果とは別物です。
よもぎそのものが妊娠にどう関与するのか、特に「蒸気」として用いた場合の影響は、今のところ医学的に説明されていません。
よもぎ蒸しに限定した臨床データの欠如
「よもぎ蒸し」と「妊娠率」の因果関係を検証した臨床研究が現時点で存在しません。
つまり、「妊活に効く」と断定するのは時期尚早です。
今後の研究に期待が寄せられる段階だと言えるでしょう。
よもぎ蒸しについては今後も継続調査が必要です。
医学研究によって確かな効果の裏付けがなされることを期待しています。
それでも選ばれる理由と考えられる作用メカニズム
科学的な根拠が乏しい中でも、よもぎ蒸しは妊活中の女性たちから一定の支持を得ています。
では、なぜ多くの人が「妊活の一環」としてよもぎ蒸しを取り入れるのでしょうか。
その背景には、冷えの改善やリラクゼーションといった目的があります。
ここでは、よもぎ蒸しが支持される理由と、考えられる身体への影響について解説します。
血流促進・温熱効果
よもぎ蒸しの最大の特徴は、下半身を中心に温かい蒸気を当てる「温熱効果」です。
骨盤周囲の血流が促進されることで、冷えがやわらぎ、「体が温まる感覚」を実感しやすくなります。
骨盤内の血流が良くなり、温度が上がると、骨盤内臓神経(迷走神経)の働きも良くなり、リラックスしやすくなります。
妊活においては、子宮や卵巣まわりの血流が改善されることはとても大切です。
血流が良いほうが、ホルモン・酸素・栄養(・病院の薬も)が届きやすくなります。
抗酸化・抗炎症作用の可能性
よもぎに含まれるフラボノイドやクロロゲン酸といった成分には、細胞を酸化ストレスから守る抗酸化作用や、炎症を抑える働きがあることが動物実験などで報告されています。
こうした作用が卵巣や子宮に良い影響を与える可能性は理論上考えられます。
ですが、「よもぎ蒸し」という手法によってこれらの成分がどの程度吸収されるのか、体内でどう作用するのかは解明されていません。
自律神経の安定とリラックス効果
よもぎの精油成分(シネオール、カンファーなど)は、アロマセラピーの分野でも使われる芳香成分です。
これらにはリラックス効果や自律神経のバランスを整える作用があるとされ、ストレスの多い妊活期において「心のケア」として役立つ可能性があります。
実際、多くの利用者が「よもぎ蒸しを受けると気分が落ち着く」「ぐっすり眠れるようになる」といった感覚的な効果を報告しています。

注意すべきリスクと活用の際のポイント
妊活の一環としてよもぎ蒸しを検討する際には、メリットばかりに目を向けるのではなく、リスクや注意点についても理解しておくことが大切です。
ここでは、実際に気をつけるべきポイントを整理します。
妊娠中・妊娠の可能性がある時期の使用は避ける
もっとも重要なのは、「妊娠の可能性がある時期には使用を控えるべき」という点です。
よもぎには子宮を刺激する可能性がある成分が含まれているとされており、
特に妊娠初期は流産のリスクが懸念されます。
さらに、蒸気による高温刺激が粘膜に影響を与えることもあり、妊娠中の体には負担となる可能性があります。
アレルギーや火傷などのリスク
よもぎはキク科の植物です。
キク科アレルギーを持つ人にとっては皮膚や気道に過敏反応を起こすリスクがあります。
(引用) Independently from exposure via herbal remedies, that is, including also sensitisation to the vital plant(s), 4% of 13,139 patients patch tested in Odense, Denmark, were allergic to Compositae, again confirming this family of plants being the most important sensitisers in Europe.
(和訳) 生薬による曝露とは別に、つまり重要な植物に対する感作も含め、デンマークのオーデンセでパッチテストを受けた13,139人の患者のうち4%がキク科植物にアレルギー反応を示し、この科の植物がヨーロッパで最も重要な感作物質であることが改めて確認された。(出典) Paulsen E, Andersen KE. Clinical patterns of compositae dermatitis in danish monosensitized patients. Contact Derm. 2018;78:185–193.
また、スチーム温度の調整を誤ると、やけどや低温やけどのリスクも生じます。
自宅でセルフ施術を行う場合には、温度や距離に十分注意し、
施術中に異常を感じたらすぐに中止することが大切です。
専門家への相談の重要性
妊活中はホルモンバランスがデリケートな状態にあり、何を取り入れるかによって体調に大きく影響することがあります。よもぎ蒸しを取り入れたいと考えたら、まずは婦人科医や漢方専門家などに相談することを強くおすすめします。
特に体外受精などの治療を並行している場合は、治療計画との兼ね合いもあり、独断での民間療法の導入は避けるべきです。
まとめ
「妊活によもぎ蒸し」は、多くの女性が関心を持つテーマです。
しかし、2025年7月現在、妊娠率の向上や生殖機能への直接的な効果を裏付ける科学的エビデンスは存在しません。
それでも、冷えの改善やストレス緩和、自律神経の安定といった“体調を整える”側面では、一定の可能性がある民間療法とも言えるでしょう。
ただし、アレルギーや妊娠初期の使用にはリスクが伴います。情報が氾濫する時代だからこそ、「誰かが効いたと言っていたから」ではなく、自分の体にとって必要か、安全かを見極める視点が欠かせません。
妊活においては、日々の生活習慣の見直しや専門家のアドバイスが基本です。
そのうえで、「心と体をいたわる」補助的な選択肢として、よもぎ蒸しを取り入れることは一つの方法かもしれません。
大切なのは、正確な情報をもとに、自分自身で納得のいく判断をすること。その積み重ねが、あなたの妊活をより確かなものにしてくれるはずです。
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【妊活ブログ執筆者】

〈資格〉
- 薬剤師
- 鍼灸師
- コウノトリ鍼灸師
- ONP認定栄養カウンセラー
- 睡眠健康指導士上級
- 婦人科セラピー協会会員
- 日本生殖医学会会員
- 統合医療生殖学会会員(旧子宝カウンセラーの会)










