妊活と食事、やさしくつながる小さな一歩
「妊活にいい食事って、結局なにをどうすればいいの?」
そんな疑問を持ちながら、情報に埋もれているあなたへ。
ネットにはたくさんの“正しそうな答え”が並んでいます。
でも、自分の体に必要なことって、誰かの成功談だけじゃ見えてこない。
ましてや、「毎日ちゃんとバランスよく食べましょう」と言われても、
忙しい毎日の中でそれを完璧にこなすのは難しいものです。
実は、妊活中に陥りがちな落とし穴のひとつが「朝食を抜くこと」。
この“たった一食”の習慣が、ホルモンバランスを乱し、排卵や子宮内膜、
そして妊娠のしやすさにまで影響していることが、近年の研究で明らかになってきています。
さらに妊娠後も、赤ちゃんの発育や胎盤の健康にまで関わっているなんて、驚きですよね。
でも安心してください。
必要なのは「毎日パーフェクトに食事を整えること」ではなく、
「抜かない」「少しだけ意識する」ことから始めること。
あなたが今日、ほんの少し自分の食べ方を見つめ直すだけで、明日の体はきっと変わっていきます。
この記事では、「妊活と食事」というテーマのもと、専門的な知識と現実的な行動のバランスを取りながら、妊娠しやすい体をつくる“やさしい食事の整え方”を紹介します。
迷いながら進んでいるあなたの妊活に、そっと寄り添うヒントになれたら嬉しいです。
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あなたの体は、あなたの食べたものでできている
妊活を意識しはじめたとき、まず何を整えるべきか。——多くの女性がその答えに迷います。
病院に行く?運動を始める?それともサプリメント?
もちろんどれも大切ですが、最初に見直してほしいのは、毎日の「食事」です。
食べたものは、あなたの血となり、細胞となり、ホルモンをつくり、子宮内膜や卵子を育てます。
つまり、食事はあなたの体を“妊娠しやすい状態”へと導くための一番身近で、確実な手段なのです。
食事と妊娠力は、静かにつながっている
妊娠は、偶然の産物ではありません。
質の良い卵子が育ち、排卵がスムーズに行われ、子宮内膜がふかふかに整っていてはじめて、妊娠が成立する。
そのすべてのプロセスに関与しているのが、日々の栄養です。
たとえば、ホルモンの原料になるのは脂質やたんぱく質。
血液の巡りをよくするには鉄分が欠かせませんし、子宮内膜の厚みを維持するにはエネルギー源となる炭水化物も必要です。
「何を食べるか」「どんなリズムで食べるか」は、
体のなかで静かに、でも確実に妊娠力を育てているのです。
実際、当グループでの子宝相談の際に、お食事について確認すると朝食を食べる習慣のない女性が多いです。
ですが、この方たちも食生活を少しずつ改善し、必要な栄養が足りるようになってから妊娠されます。
「ちゃんと食べること」が妊活の第一歩になる理由
「妊娠したら、ちゃんと食べよう」
そう思っている人も多いかもしれません。
でも実際には、「妊娠する前」からの栄養状態が、妊娠のしやすさを大きく左右します。
米国の大規模研究(Nurses’ Health Study II)では、排卵障害による不妊リスクは、健康的な食事を実践していた女性で最大66%も低下したというデータがあります。
(引用) In the Nurses’ Health Study (NHS) II, a large prospective cohort, women who had the highest intake of a “fertility diet” comprised of plant protein from vegetable sources, full-fat dairy foods, iron, and monounsaturated fats, during the preconception period, were found to have a 66% (95% CI, 52, 77%) lower risk of infertility related to ovulatory disorders and a 27% (95% CI, 5, 43%) lower risk of infertility due to other causes compared to women with the lowest intake of this diet pattern, controlling for age, body mass index (BMI), alcohol intake, coffee intake, smoking, and oral contraceptive use (7).
(和訳) 大規模前向きコホートである看護師健康研究 (NHS) II では、妊娠前期間中に植物性タンパク質、全脂肪乳製品、鉄分、一価不飽和脂肪からなる「妊娠しやすい食事」の摂取量が最も多かった女性は、この食事パターンの摂取量が最低の女性と比較して、年齢、BMI (ボディマス指数)、アルコール摂取量、コーヒー摂取量、喫煙量、経口避妊薬の使用を考慮に入れた場合、排卵障害に関連する不妊症のリスクが 66% (95% CI, 52, 77%) 低く、その他の原因による不妊症のリスクが 27% (95% CI, 5, 43%) 低いことが分かりました (7)。
(出典情報)
この情報は、ナーシングス・ヘルス・スタディ(Nurses’ Health Study, NHS)II という大規模な前向きコホート研究の結果に基づいており、以下の学術論文で報告されています。Chavarro JE, Rich-Edwards JW, Rosner BA, Willett WC. Diet and lifestyle in the prevention of ovulatory disorder infertility. Obstet Gynecol. 2007;110:1050–8.
また、地中海式の食事パターンを続けていた女性は、体外受精の成功率が約1.9倍に高まったという報告もあります。
(引用)
For the Mediterranean diet, on excluding high risk-of-bias studies (n = 3), higher adherence was associated with improved live birth/pregnancy rates in ART [OR 1.91 (95% CI 1.14–3.19, I2 43%)] (n = 2). Adherence to various Healthy diets was associated with improved ART outcomes (ProFertility diet and Dutch Dietary Guidelines) and natural conception outcomes (Fertility diet).
(和訳)
地中海式の食事については、バイアスリスクの高い研究(n = 3)を除外した結果、ARTにおける生児出生率/妊娠率の向上と高い遵守率(OR 1.91(95% CI 1.14–3.19、I2 43%))との関連が認められました(n = 2)。様々な健康的な食事への遵守は、ARTの成果(ProFertility食およびオランダの食事ガイドライン)および自然妊娠の成果(Fertility食)の向上と関連していました。
(出典)
Winter, H.G., Rolnik, D.L., Mol, B.W.J., Torkel, S., Alesi, S., Mousa, A., Habibi, N., Silva, T.R., Cheung, T.O., Tay, C.T., Quinteros, A., Grieger, J.A., & Moran, L.J. (2023). Can Dietary Patterns Impact Fertility Outcomes? A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients, 15(11), 2589. https://doi.org/10.3390/nu15112589Gaskins, A.J., Nassan, F.L., Chiu, Y.H., Arvizu, M., Williams, P.L., Keller, M.G., Souter, I., Hauser, R., & Chavarro, J.E. (2019). Dietary patterns and outcomes of assisted reproduction. American Journal of Obstetrics and Gynecology, 220(6), 567.e1-567.e18. https://doi.org/10.1016/j.ajog.2019.01.036
Twigt, J.M., Bolhuis, M.E., Steegers, E.A., Hammiche, F., van Inzen, W.G., Laven, J.S., & Steegers-Theunissen, R.P. (2012). The preconception diet is associated with the chance of ongoing pregnancy in women undergoing IVF/ICSI treatment. Human Reproduction, 27(8), 2526-2531. https://doi.org/10.1093/humrep/des167
Chavarro, J.E., Rich-Edwards, J.W., Rosner, B.A., & Willett, W.C. (2007). Diet and lifestyle in the prevention of ovulatory disorder infertility. Obstetrics & Gynecology, 110(5), 1050-1058. https://doi.org/10.1097/01.AOG.0000287293.25465.e1
つまり、「妊活中に食事を整えること」は、未来の可能性を少しずつ確かなものにしていく、確実な“準備”だということです。
朝ごはんを抜くと、体の中で起きていること
「忙しい朝は食べない」「お腹が空かないから、コーヒーだけで済ませる」

そんな生活、思い当たる人も多いのではないでしょうか。
けれど、妊活中の女性にとって、この“朝食を抜く習慣”は、知らないうちに妊娠のチャンスを遠ざけているかもしれません。
朝食は、単にエネルギー補給の手段ではありません。体のホルモンリズムや血糖バランス、代謝のスイッチを「今日も整える」ための、重要なスタートラインなのです。
体が「妊娠の準備モード」に入れなくなる
朝食を抜くと、体は「エネルギー不足状態」のまま日中を迎えます。
すると、血糖値が不安定になり、体はストレスホルモン(コルチゾール)を過剰に分泌。これが、自律神経や女性ホルモンのバランスを乱し、排卵や子宮環境に悪影響を及ぼすのです。
さらに、朝食を摂らないことで体内時計(概日リズム)もズレやすくなります。このズレが、排卵時期の乱れやホルモン分泌のアンバランスに直結し、「妊娠の準備モード」がうまく作動しない状態になってしまいます。
卵子や内膜の“質”にまで影響する
朝食を抜くことで全体的な栄養摂取量が減り、卵子や子宮内膜の成長に必要なビタミンやミネラル、タンパク質が不足しがちになります。
特に不足しやすいのが、卵胞の成熟や内膜の増殖に不可欠な葉酸・鉄・ビタミンD・亜鉛などの微量栄養素。
栄養が足りないと、卵子の質が下がり、子宮内膜も十分に厚くなりにくくなる。これが、着床率の低下や不正出血の原因にもつながるのです。
妊娠後もリスクが続くという現実
妊娠が成立した後でも、朝食を抜く習慣はリスク要因になります。
日本の「エコチル調査」では、朝食を摂らない妊婦は妊娠糖尿病を発症するリスクが約1.2倍高いことが明らかになっています。
さらに、妊娠高血圧症候群や低出生体重児のリスクも上昇するという報告があります。
妊娠前の習慣が、そのまま妊娠中の体調や赤ちゃんの発育にまで影響する。
朝食は「自分のため」だけでなく、「未来の命のため」でもあるのです。
妊活中におすすめの食事って、実はそんなに難しくない
「妊活にいい食事」と聞くと、なんだか特別で難しそうなものを想像するかもしれません。
でも実際は、極端な制限や高価な食材を必要とするわけではありません。
むしろ大切なのは、体にやさしいものを“バランスよく、継続して摂る”という、
シンプルだけれど丁寧な食習慣です。
「体を整える」ことは、「心を整える」ことにもつながります。
がんばりすぎず、でも少しだけ意識を変えてみる。そのためのヒントを紹介します。
地中海式・健康的パターンの考え方
研究でも効果が示されているのが、「地中海式食事パターン」や「健康的な食事パターン」と呼ばれるスタイルです。
・野菜や果物
・魚やオリーブオイルなどの良質な脂質
・全粒穀物や豆類
・赤身肉や加工食品を控えめに
こうした食事は、卵子や精子の質を高め、妊娠率を向上させることがわかっています。
しかも、日常の買い物や調理でも実践できる内容ばかりです。

特に意識したい5つの栄養素
妊活中に優先して摂りたいのは、以下の5つの栄養素です。
・葉酸:胎児の神経管形成を助ける
・鉄:卵子と内膜の血流を支える
・カルシウム:ホルモンの分泌や骨の健康に関与
・オメガ-3脂肪酸:卵巣機能や抗炎症作用に有効
・ビタミンD:着床率やホルモン調整に影響
これらはすべて、日常の食材(緑黄色野菜、魚介、豆類、きのこ、ナッツなど)から摂取可能ですし、必要であればサプリメントで補うことも推奨されています。
男性パートナーの食事も一緒に見直してみよう
妊娠は、女性だけの努力では成り立ちません。
実は男性の精子の質も、食事によって大きく左右されることが分かってきました。
・ビタミンC、E、亜鉛、セレンなどの抗酸化栄養素は、精子のDNA損傷を防ぎます
・逆に、加工肉や糖分の多い飲料、トランス脂肪の多い食品は、精子の運動率や数を下げるリスクがあります
「ふたりで食事を見直す」ことは、妊活を“チームで取り組む”という意味でも大切なアクションです。
「ちゃんと食べる」って、こういうこと
「妊活には、きちんと3食バランスよく食べましょう」
そう言われても、仕事や育児、体調の波に振り回される毎日の中で、それを完璧に実行するのは難しいものです。
だからこそ大切なのは、「完璧じゃなくていい」「できる範囲で、自分を大切にすること」。
ここでは、“ちゃんと食べる”ことをもっとやさしく、もっと現実的に捉えるための考え方をご紹介します。
朝食を“義務”にしなくていい
朝ごはんは大切。でも、「ちゃんと作らなきゃ」「食べなきゃ」と気負う必要はありません。
・夕飯の残りでOK
・コンビニの雑穀おにぎりと豆乳でも十分
・無理なときは、栄養ドリンクやカロリーメイトでも一歩前進
「食べない」より「少しでも食べる」。それが体と心のエンジンを動かす合図になります。
3食そろわない日があっても大丈夫
理想通りに食べられない日も、当然あります。
疲れて寝てしまった夜、出先で偏った昼食、そんなときでも、自分を責めないでください。
「昨日は無理だったけど、今日は朝ごはんを摂れた」
その“ひとつできた”が、次の自信につながります。妊活はマラソン。短期決戦ではありません。
サプリに頼るのも「自分を助ける選択」
「食事から全部摂るのは難しい」と感じるときは、サプリメントも前向きな選択肢です。
・厚労省も推奨する「妊娠前の葉酸摂取」
・鉄やカルシウムは、食事と合わせて補強していくスタイルでOK
「足りない部分を補う」という視点で、無理なく栄養を整えることが、結果的に妊娠しやすい体づくりにつながります。
栄養不足がもたらす胎盤への影響も知っておきたい
妊娠が成立すると、赤ちゃんに酸素や栄養を届ける“ライフライン”となるのが胎盤です。
この大切な胎盤の健康にも、実は「妊娠前からの栄養状態」が深く関わっています。
「つわりで食べられないから、妊娠前くらい自由に…」と考える人もいるかもしれません。
でも、妊娠前の栄養が胎盤の構造やはたらきを左右することが、近年の研究で明らかになっています。
胎盤が大きく、でも弱くなるというリスク
栄養不足の母体では、胎児への栄養を少しでも多く届けようと、胎盤が“代償的に”大きくなる傾向があります。
しかし、それはあくまで“構造上の肥大”であり、決して機能が充実しているわけではありません。
栄養が足りない状態で形成された胎盤は、絨毛(胎盤の組織)の細胞がうまく発達せず、血管が細く、酸素や栄養素の運搬能力も低くなりやすいと言われています。
剥離しやすい胎盤になると、どうなるのか
構造が脆くなった胎盤は、子宮壁から剥がれやすくなります。 これが「常位胎盤早期剥離」と呼ばれる、妊娠中の重大な合併症のひとつです。
低栄養・低タンパク状態や、妊娠高血圧症候群のある女性では、胎盤の一部が壊死したり線維化(瘢痕化)したりすることで、剥離リスクが高まることが報告されています。
【参考】日本産婦人科医会「胎盤梗塞」 https://www.jaog.or.jp/lecture/29-胎盤梗塞/
このような状態になると、胎児への栄養供給が急激に止まり、母体側にも出血などの大きなリスクをもたらす可能性があります。
胎盤を育てるのも、「いま」の食事
胎盤は、妊娠してから突然できるわけではなく、妊娠初期から少しずつ形づくられていきます。
その土台となるのが、妊娠前・妊娠初期の母体の栄養状態。
あなたが今日摂る食事が、未来の赤ちゃんの安全基地をつくっている——そう考えると、目の前の一口にも自然と気持ちがこもってきますよね。
まとめ:まずは、朝ごはんから
妊活中は、結果が見えづらく、不安や焦りが募る時期でもあります。
「なにをすればいいのか分からない」「いまの自分で大丈夫なのか」と、自信をなくすこともあるでしょう。
だからこそ、「できることを、できる範囲で」。
その第一歩として「朝ごはんから始める食事の見直し」は、とても現実的で効果的な選択です。
朝食を摂ることは、ホルモンバランスを整え、体のリズムを整え、卵子や子宮内膜の質を育むことにつながります。
さらに、妊娠後の母体の代謝や、胎盤、赤ちゃんの発育にまで影響を与える。これは、最新の研究や医学的知見が示している確かな事実です。
そして何より、食べることは「自分を大切にする行為」でもあります。
忙しい日々の中で、たとえ完璧でなくても「少しでも食べる」「気にかける」。そんな小さな積み重ねが、未来の大きな安心につながっていくのです。
妊活は、自分と向き合う時間。
あなたの体は、あなたが食べたものでやさしく、確かに変わっていきます。
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【妊活ブログ執筆者】

〈資格〉
- 薬剤師
- 鍼灸師
- コウノトリ鍼灸師
- ONP認定栄養カウンセラー
- 睡眠健康指導士上級
- 婦人科セラピー協会会員
- 日本生殖医学会会員
- 統合医療生殖学会会員(旧子宝カウンセラーの会)









